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思い込みに惑わされない!ビジネスで気を付けたい認知バイアス4選

皆さんは「認知バイアス」という言葉をご存じでしょうか?

いわゆる心理学用語なのですが、意味を調べてみると「思考のプロセスにおける系統的な間違い」だとか、「経験や固定概念に基づく非合理的な考え」など、少し頭をひねらないと理解し難い解説が沢山出てきます。

認知バイアスを簡単に誰でもわかる言葉に言い換えると「思い込み」となります。
人は年齢、性別、職業、国籍、文化など、自我や人格の形成に関わる要素に関係なく、誰もが認知バイアスの影響を受けているそうです。

認知バイアスの影響が強すぎると、背負わなくて良いリスクを抱え込むことになったり、防げたはずの失敗を引き起こしたり、期待した結果を得られなかったり、次に活かせるような情報が手に入りにくくなったりしてしまいます。

今回はそんな認知バイアスによって仕事で損する機会を回避する方法を、私が「なるほど!私にも思い当たる節があるぞ!」と感じた4つの認知バイアスの紹介を読みながら一緒に考えていきましょう。

そもそも「認知バイアス」ってどういうもの?

※このセクションに関しては、認知バイアスの知識がある方は読み飛ばしても構いません。

人の認知機能は、できるだけ脳に余計な負担を掛けずに効率よく判断を下せるように進化してきました。
おかげで我々は電車の時刻表を調べる前でも、「10時に待ち合わせ場所に着く為には、9時には家を出た方が良いかな」というように、素早くおおよその予測や判断を下すことができます。

しかし、上記の例では時刻表を調査していない状態で予測をしているので、電車の発車時間や乗り換えに必要な時間、万が一運転にトラブルがあった場合のことなどが考慮されていません。
つまり、最初の判断には実際の待ち合わせ時間より遅刻したり、逆に早く着き過ぎたり、酷いと待ち合わせ場所に辿り着けない可能性すら含まれています。

自分の経験や固定概念に忠実過ぎたり、周りの環境に影響されすぎる、充分に知識を蓄えた状態でないなど、こういった状況で物事を考えて判断を下しているような人は、まさに認知バイアスの影響を受けていると言えるでしょう。

日常を取りまく様々な認知バイアス | 医療法人社団 平成医会

説明の努力を侮ってはいけない―「透明性の錯誤」

何かを人に伝えたとき、それを相手に100%理解させるのは非常に難しいことです。しかし、どこか人は「わかってくれているはず」と無意識に錯覚する傾向にあります。これを「透明性の錯誤」といいます。

例えば、あなたが誰かに仕事を依頼したとき、必ず自分が依頼したとおりに仕事をしてくれると言い切れますか?自分が期待した通りの出来でなかったとき、あなたはどう思うでしょうか。

「私は○○って言ったのに…」と思うことはいくらでもできますが、それが必ずしも相手に伝わっている保証は実はどこにもありません。「こう言ったのに、わかってると思ったのに」と思った時点で、「透明性の錯誤」の影響を受けているのではないでしょうか。

透明性の錯誤の影響が強すぎると、お互いの間ですれ違いが発生し、仕事だけでなく人間関係でもトラブルになりやすいです。相手に何かを伝えるときは「やりすぎかな?」と思うくらいでもいいので、きちんと説明するようにしましょう。

例えば、下記のような方法で対策ができるかと思います。

  • 主語・述語を省かないなど、言葉の組み立ての基礎を守って会話する
  • 自分が話し手の場合、相手が理解していそうか観察しながら話す
  • 自分が聞き手の場合、少しでも「わからない」と思うことがあったら相手に詳しい説明を頼む(わからないことを放置しない)
  • こまめに情報共有をする
  • 恐れずに質問する、質問が来ても快く答えられる環境づくりをする

お互い全く話が噛み合わないまま議論が終わり取り返しがつかなってしまったという事を避ける為にも、伝えたい事柄は相手の立場や状況を考えながら、正しい言葉で伝えるようにしたいですね。

心理学用語「透明性の錯覚」の意味と具体例をわかりやすく解説 – スッキリ

スケジュール倒れの永久機関―「計画錯誤」

皆さんは「この仕事はこのくらいでできそうだ」と時間の見積もりながらスケジュールを立てているかと思います。

では、実際その見積もった時間通りに仕事が終わる保証はありますか?絶対に立てたスケジュールの途中でアクシデントは発生しないと言い切れますか?

人は計画を立てるとき、「このくらいあれば余裕」と楽観的に見積もってしまう傾向があり、これを「計画錯誤」と呼びます。今回はスケジュールや時間を例に出しましたが、これは予算を決める場合にも表れます。

計画というものは大抵立てた通りに進むものではありません。それでも私たちは無意識にトラブルや何の邪魔も入らなかった場合の、「最善の」スケジュールで計画を立ててしまいやすいのだそうです。こうしたスケジュールの立て方をしていると、なぜだかいつも間に合わないギリギリの状態で仕事をするハメになるでしょう。これでは仕事でミスをしていても気づきにくいです。

計画錯誤によるスケジュールのミスを防ぐ為には、

  • 作業を細かく分割して考える
  • 普段から作業に書けた時間を記録する(なるべくマメに細かく)
  • トラブルは起きるものだと認識を改める
  • 予備の時間を含めてスケジュールを立てる

など、自分の作業スピードを把握するように普段からしておくことが大切です。日々記録をつける癖をつけ、スケジュールを立てる練習をしてみましょう。

たったひとつのポイントで全てが決まる?―「ハロー効果」

参考にしようした一見素敵なアイデアが思ったより参考にならなかった、時間を無駄にしてしまった…と後悔したことは誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。

一見、カッコいい、便利そう、人気があると思ったものが、必ずしも優れているとは限りません。
このように、ぱっと見の良い/悪い印象のせいで全体の印象を掴むことが難しくなる心理現象を「ハロー効果」といいます。

こんな研究結果や実例、実験結果が世の中にあるのはご存じでしょうか。

  • ルックスが良い犯罪者は罪が軽くなりやすい
  • 有名芸能人が出ているCMの商品は売れやすい
  • モデルの女性と一般の女性、面接試験後どちらかしか採用できないとした場合、モデルの女性が採用されることが多かった
  • 人気俳優が政治家を応援すると、その政治家の人気度も高くなる

一見すると外見至上主義的な実例や結果ばかりで倫理的に気になりますが、これらは全てハロー効果の影響を受けていると言われています。

ハロー効果の影響を避ける為には、

  • 目の前にある対象物の本当に好きな部分/嫌いな部分はどこか明確にする
  • 目の前にある対象物から自分の好みである部分を引き算しても優れていると断言できるか考える
  • 対象物が他者から評価されている場合、評価内容に私的感情や個人差の有無が含まれてないものを参考にする

など、物事の本質を捉えるようにすることが大切です。見た目の良さ悪さや、メリットやデメリットの中のたった一つだけでは決して全体の良さには繋がらないことを常に意識するようにしたいものです。

ちなみに、ハロー効果を逆手に取った例として、初めて会う人の自分に対する印象をコントロールすることもできます。「人は見かけで何割かの印象が決まる」…とはこのハロー効果の影響も少なくともあるため、初めての打ち合わせで先方と会う場合は、身だしなみや仕草に気を付けてみると良い関係が築けるかもしれません。

裏付け情報だけじゃ戦えない?―確証バイアス

ある日、仕事で自分の意見と対立する意見が出てきたとします。
あなたはどうしても自分の主張を通したいので、より説得力のある解説をしようと、情報を集める事にしました。このとき、どんな情報を集めようと考えますか?

多くの人は自分の主張をより良いものにするために、自分の都合に合う情報や思い込みを正当化できるような情報を無意識に集めてしまうのだそうです。このような行動傾向は「確証バイアス」と呼ばれています。

人は自分と対立する物事のことを不快に感じ、向き合わなきゃいけないと頭ではわかっていても無意識のうちに排除しているのだとか。

しかし、自分に都合の良い情報ばかりで相手や周りの人達を納得させられるかと言ったら話は別です。
良い面ばかりに目を向けて、悪い面を指摘されて答えられないと「本当に調べてきたの…?」と思われるかもしれません。

  • あえて自分と反対する意見や情報にも目を向け分析する
  • 自分の主張を通すことに固執しすぎていないか、自分を客観的に見る
  • 理性より私的感情が勝ることのないよう冷静に検討する

など、少し自分を律するだけでも確証バイアスによる情報収集の罠は防ぐ事ができます。

あえて自分の主張の悪いところを探して、それをカバーできるような案まで同時に出せるとかなり説得力のある主張になるのではないでしょうか。

「思い込み」に左右されず、理性的に仕事ができるようになろう

認知バイアスのせいで偏った情報やデザインを採用して、説得力のない成果物を作ってしまうのは非常にもったいないことです。自分が感じた事は必ずしも他人も感じているとは限らない事を忘れないようにしましょう。

好き/嫌い、便利/不便、人気/不人気、新しい/古いなど、どの要素を取り入れるべきかはその時によって違います。自分は今何を作ろうとしているのか、誰のために作るのか、仕事の本質をしっかり捉えて動くようにしたいですね。

アイコンの人の名前

今回は特に私自身に身に覚えのある考え方や行動傾向を中心に集めているため、これを読んでいるあなたにはピンと来ないものもあると思います。だからと言って自分には全く関係ない、という事は絶対にありません!

興味があったら、その他の認知バイアスについて是非調べてみて下さい。きっとあなたの身に覚えのある認知バイアスがきっと見つかるはずです。自分の考え方や行動傾向を知ることで、より理性的で中立な立場で仕事ができるようになると思います!

デザイナー/S.O

そこら辺に転がってる人です。

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