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「なんか違う」を防ぐために。~コンセプトを立てて、一貫させるという仕事の本質~

この記事の目次

はじめに:なんで大半のプロジェクトって難航するんでしょうね

いや~「コンセプト立案」って、本当に難しいですよね。
最近は様々なクライアントさんと直接関わる機会に恵まれているのですが、顔を合わせる度に毎回そう思わされます。

まあ、それもそうです。
「コンセプトを意識する」ことが簡単だったら、世の中のプロジェクトの大半はもっとスムーズに進むはずですから...

あらゆるデザイナー、映像クリエイター、ディレクター、プロジェクトリーダー、プロダクトマネージャー、他にも色々……。
クリエイティブや企画の仕事に関わる人なら、一度はこう思ったことがあるはずです。

「なんでこんなに、後から修正が出るんだろう」
「結局このプロジェクト、何を伝えたいんだっけ?」

原因はほとんどの場合、スキルの問題でも、誰かのやる気の問題でもありません。
多くの場合、「コンセプトが定まっていない」か「定まっていても浸透していない」。
たったそれだけで、プロジェクトは迷走します。

今日は、「コンセプトを立てて、それを一貫させることの大切さ」について、お話ししていきます。

コンセプトって、具体的に何?

よく聞くけど、曖昧なままにされがちな「コンセプト」。

ここでいうコンセプトとは、「誰に」「どんな価値を」「どんな印象で」届けたいかを定めた、プロジェクトの方向性の軸のことです。

たとえば、こんなふうに言語化します。

  • 誰に?:都市部に住む30代の男性サラリーマン
  • どんな価値を?:週末に没頭できる“自分だけの時間”を手に入れる手段として
  • どんな印象で?:機能美と無骨さを備えた大人の遊び場

デザイン領域に限るのであれば、これだけで色・フォント・レイアウト・写真・コピー・インタラクションなど、すべての方向性が決まります。

なぜ「一貫性」が大事なのか?

コンセプトは立てるだけでは意味がありません。
プロジェクトの最初から最後まで、意思決定の軸として一貫して使われてこそ、価値を発揮します。

この「一貫性」がないとどうなるか。ありがちな失敗例を挙げてみます。

ありがちな失敗例①:「やっていることがバラバラ」

  • トップページはスタイリッシュ、商品ページはポップ
  • キービジュアルは高級路線、コピーは親しみ重視
  • 営業は「安心感」を売っているのに、マーケは「尖った体験」を押している

どこかで違和感を抱えながら進んでいるのに、「気づいたら手遅れ」パターン。
結果、ユーザーからは「結局何が売りなのか分からない」と言われてしまいます。

ありがちな失敗例②:現場が迷子になる

「この仕様、どっちを優先すべき?」
「この色でいいんだっけ?」
「このコピー、コンセプトと合ってる?」

…など、あらゆる場面での判断がぶれ、チームの中で解釈がズレていきます。

これを放っておくと、進行するほどに個々が勝手な“解釈”を持ち出しはじめて混沌と化し、軌道修正もどんどん難しくなります。

コンセプトは「チームの旗印」

プロジェクトのスタート時に、「この旗を目指して進もう」と決める。
その旗印が、コンセプトです。

この旗があるかないかで、プロジェクトの進み方は驚くほど違います。

たとえば、デザインレビューの場面で:

「この色、どうしてこの選択?」
「文字詰め、そこまで厳密にやる意味ある?」

というようなやりとりがあったとします。

旗があれば、こういった質問に対して具体的に答えられるようになります。

「ターゲットは“無骨さとプロっぽさ”を好む人たちなので、余白やフォントには硬質感を持たせたいんです。」

旗がなければ、ただの「好みの押し付け」か、「空気読み」になってしまいます。

一貫したコンセプトがあると、判断の回数が減ります。
何か迷ったとき、「この方向でよかったよね」と確認すれば済むからです。

コンセプトは“決断のための共通言語”です。
ディレクターやPMが全ての判断を一人で抱え込まずに済み、チーム全員が“同じ地図”を見ながら進めるようになるのです。

まとめ:一貫性は“つまらない”ではない

「コンセプトに一貫性を持たせる」と聞くと、「なんか自由度がなくて、面白みに欠ける」と感じる人もいるかもしれません。

でも、実際にはその逆です。
軸があるからこそ遊びが効き、方向性が決まっているからこそ、提案の強度が上がります。

ブレないこと自体が“強さ”であり、安心感であり、説得力なのです。

もし今、「なんかプロジェクトがバラバラだな」「いつも方向性がブレるな」と感じているなら、まずは自分なりに、“旗”を立ててみてください。

  • 誰に届けたいか
  • どんな価値を感じてほしいか
  • どういう印象を残したいか

たったこれだけで、迷いが減り、判断が楽になり、メンバーとの会話も明確なものに変わっていくはずです。

コンセプトは、“上流の思考”であると同時に、“現場の救い”でもあるということですね。

S・O_イラスト

コンセプトなかなか浸透しないな~という場合は、Slackのcanvasとか、Notionとか...プロジェクトの参加者みんなが毎日見るようなところに書いておくと、いやでも意識するようになるのではいでしょうか?
私も、今後デザインを作るときはデザインデータの目立つところに、デッカくコンセプトを書いておこうかな...と思います。

デザイナー / S.O

Webデザインを中心に、業務管理画面やスマホアプリ等のUI/UXデザイン、チラシ・パンフレット、名刺やロゴといったグラフィックデザイン等、デザイン業務を総合して担当。 主な使用ツールは、Adobe製品、Figma等。

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