Windows で仕事しているエンジニア直伝・できるだけマウスではなくキーボードで行う時短操作テクニック
この記事は2023/08/02に作成されました。
僕は自宅で仕事するときはマウスを一切使いません。
なぜなら、すべての作業はキーボードで行うからです。
……と言えればカッコよかったのですが、真相は単にノート PC についているパッドを愛用しているといだけの話です。マウスがおけるほど大きくないんですもの、自宅の机。
今回は何よりもコストパフォーマンスを求められるこの時代にうってつけの時短テクニックに関する記事です。
複数選択や、文章の遠い場所へカーソルを移動するなど、明らかにマウス操作のほうが適している操作もありますが、たいていの作業はキーボードで完結したほうが早く操作できます。
キーボードとマウスの間を行き来する時間が無くなるのはもちろんですが、マウスポインタの位置操作なしに、決まったキーボード操作を行えるようになると時短のみならず脳の負担も減らすことができます。
僕も仕事をし始めはマウスばかり使っていましたが、主にプログラミングをするためのエディタやコマンドプロンプトのような CLI アプリで仕事をするようになるにつれ、どんどんキーボードで PC を操作するようになりました。
今回はそんな僕が日ごろ使っているキーボード操作のうち、覚えやすそうかつ有用な操作を紹介します。
アプリを開く1「Windows + 数値キー」
PC で作業を行う際はたいてい、何らかのアプリを開くことから始めることになりますが、多くのユーザーは
- デスクトップに作成したショートカットをダブルクリック
- そのアプリで扱うファイルを開く
- タスクバーに固定したアイコンをクリック
などでアプリを開いているかと思います。
この中で三番目、「タスクバーに固定したアイコンをクリック」しているユーザーにおすすめなのが「Windows + 数値キー」の同時押しです。
「数字キー」は Windows アイコンに近い順で数えた時の番号となります。
僕は使用頻度が高いアプリのみタスクバーに並べ、PC を立ち上げたら Windowsを長押ししながら「1」「2」「3」「4」…と数値キーを順番に押しながらアプリを立ち上げます。
アプリを開く2「Windows → アプリ名(英語) → Enter キー」
タスクバーに固定していないアプリを開くときはどうでしょう。
特別なソフト・ハードを使わずとも、僕が最速かつ汎用性が高いと考えているのが、「Windows」を押してから「アプリ名」を直接打ち込む方法です。つまり単なるスタートメニューの検索です。
このスタートメニューですが、実は開いてから何もマウス操作をせず、そのまま英数字キーを入力するとそのままアプリ名・ファイル名の検索ができます。
そのまま入力を続けると、検索結果に最も適合するアプリ or ファイルが選択されている状態になっているので、そのまま Enter キーを押すとそのアプリが開くことができます。
この流れは単純ながらも一度覚えると汎用性が高く、デスクトップやタスクバーを汚すことなく様々なアプリを開くことができます。
環境にもよりますが、 Chrome を開きたいならだいたいのユーザーが「Windows」「C」「H」「Enter」を順番に押すだけで開くことができるでしょう。
また、アプリの英語名を予測できれば、予想でアプリの検索をすることができます。
例えば電卓を開きたいとき、もともとの英語名は「calculator」だと知っていれば、 Windowsを押してから「cal」あたりまで打って、電卓アプリが開けることを知ることができるでしょう。
特に有用なのが「コントロールパネル」や「設定」の奥深くにある各種設定を開く時で、例えば
- ネットワークの状態 → 「net」
- デバイスマネージャー → 「devi」
- Windows Update → 「upd」
- 規定のアプリ → 「defa」
- プリンターとスキャナー → 「pri」
のように、それっぽい英語を入力すると案外ヒットします。
一度検索ワードを覚えてしまえば、次に同じアプリを開くスピードアップにつながりますよ。
アプリを閉じる「Alt + F4」
開いたものはいつか閉じるもの。
アプリを閉じるときは右上の×ボタンでもいいですが、ショートカットキーで閉じるのも良いでしょう。
シャットダウンや再起動をするためのウィンドウを開くためのショートカットとして有名ですが、アプリがアクティブになっていれば、そのアプリを閉じることができます(たいていは最後に操作したアプリがアクティブなアプリです。タスクバーで背景色が変化していればアクティブになっています)。
思わずシャットダウン画面を開くのが怖ければ、多くのアプリでは「Alt」→「↑」→「↑」→「Enter」でも閉じることができます。
これはたいていのアプリが、
- Alt キーを押すとウィンドウメニューが表示される
- そのウィンドウキーの一番下は「閉じる」になっている
という条件を満たしているので、その状態で
- 「↑」を一回押すと一番上の選択項目が選択される
- 「↑」をもう一回押すと一番下(閉じる)の選択項目が選択される
- 「Enter」で実行
というフローを実行できるためです。
画面ロック「Windows + L」
ちょっと席を立つときなど、とっさに画面をロック状態にしておきたい場合はこのショートカットで画面をロック状態にできます。
シャットダウンなどとは違い、裏でアプリは開きっぱなしになっているので、再度ログインすればすぐに作業に戻れます。
画面ロックを PIN で解除「Ctrl or Esc or ↑↓→← 連打 → PIN」
PC を立ち上げたあと、もしくは画面ロックを解除する時には PIN を打つことになりますが、この時ディスプレイの電源も切れていた場合、しばしばディスプレイが映る前に PIN が入力可能になっています。
この時画面の裏側では画面をクリックなどしないと PIN の入力欄が表示されていないのですが、この時
- Ctrl
- Esc
- ↑↓→←
あたりを連打しておけば、PIN コードを入力待ち状態にしておくことが可能です。
画面が映る前でも、これらキーを連打した後に PIN コードを入力すれば、運が良ければすでにデスクトップが表示されているはずです。
さらに前述した「Windows + 数値キー」でアプリを立ち上げていれば、画面が映った瞬間に仕事開始も夢ではないかもしれません。
背面にあるアプリを開く「Alt 長押し + Esc 連打」
タスクバーに固定している or すでに開いているアプリであれば、先述した「Windows + 数値キー」が確実かつ最速で任意のアプリを最前面に持ってこれます。
ただし、より脳を使わず「ひとつ前に使用した」アプリを開く場合は「Alt」+「Esc」を同時押しするとよいでしょう。
これはアプリを使用した順でアクティブにするもので、該当するアプリが背面に回っていれば最前面に持ってきてくれます。
弱点として、最小化状態になっているアプリは表示してくれないので、その場合はそのまま「Enter」を押すか、もしくは「Windows」 + 「Tab」や「Alt」 + 「Tab」を試してみても良いでしょう。
全てのウィンドウを最小化してデスクトップ表示「Windows + D」
デスクトップを表示したい or アプリを開きすぎたので、全て最小化したい場合は「Windows」と「D」を同時押しすると可能です。
ちなみに、このショートカットはタスクバーの Windows マークの反対側にある端の部分をクリックすることでも実行可能です。キーボードによるショートカットを覚えるのが面倒ならこちらでも。
エクスプローラーを起動「Windows + E」
なんだかんだでよく使うエクスプローラーですが、わざわざ特定のフォルダを開かなくても「Windows」と「E」を同時押しすることでエクスプローラーを起動できます。
しかも、同じショートカットを連打することで好きなだけ複数ウィンドウを作成できるので、ファイルの移動やコピペ作業にはうってつけでしょう。
エクスプローラー内でファイルを選択(英数字限定)「ファイル名を先頭から何文字か打つ」
フォルダをエクスプローラーで開いたとき、たくさんのファイルがあると探すのが大変ですが、選択したいファイルの名前を知っているかつ、そのファイル名が英数字で始まっていれば、そのままそのファイル名をキーボードで打ってみましょう。
入力欄が見えるわけではありませんが、打ち込んだ文字(素早く打ち込めれば複数文字も可)に適合するファイルが自動で選択状態になります。
そのまま「↑↓→←キー」で選択するファイルを変更できますし、「Enter」キーでアプリを開くことができます。
ブラウザでのフォーム自動入力「Tab → ↓ → ↓」
番外編として、ブラウザでたくさんのフォーム入力をする時の小技を一つ。
例えば新規会員登録などではユーザー名、メールアドレス、電話番号など、ある程度定番の入力欄を埋めていくケースが多いと思います。
このとき「Tab → ↓ → ↓」のセットを何回か繰り返すと、ある程度の入力欄を自動で埋めてくれます。
ウェブブラウザでは入力欄の選択を「Tab」で切り替えることができるのですが、テキストを入力するタイプの入力欄が選択状態になっているときに「↓」を押すと、以前の入力履歴が表示されます。
ユーザーの操作にもよりますが、一番最近打ち込んだ履歴が一番上に表示されているため、もう一度「↓」を押すとその履歴が選択されます。
そのまま「Tab」を押すと、その履歴を入力欄に転写しつつ、次の入力欄に選択が移るため、何も考えずとも「Tab → ↓ → ↓」をループさせることによって自動入力が行われるのです。
まとめ
ここで紹介した以外にもキーボードを用いることで時短を図れるテクニックは山のように存在します。
ただ先述したように、キーボードで無理やり操作するよりも、実はマウスのほうが適している操作もあります。
結局なにより重要なのは、自分が知っている知識・知恵に固執することではなく、「今やっている作業をもっと楽にするにはどうすればいいだろう?」という好奇心だと思います。
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プログラマー/N.Go